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広島神楽 日本を舞う 神楽旅2018年7月1日 初版第1刷発行
著者 石井 誠治 監修 寺本 泰輔・新谷 尚紀
発行 NPO法人広島神楽芸術研究所
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『私が、かぐらの新作に取り組むことになった動機はいろいろあるが、そのおもなものは、終戦直後の社会情勢からかぐらの危機が迫ったことである。当時の日本人はぼう然自失状態で、こうした精神的空白につけこんで低俗な諸芸能が農村にも侵入し、一時は農民もこれに酔いしれる始末で、農村の年中行事でいちばん郷土色のあった秋祭りの奉納かぐらをやめて、これらの諸芸能がとってかわる傾向さえ見えはじめた。これに対して単純素朴な古典神楽では対抗できないと感ずるようになってきた・・・』
《佐々木順三 著 『神楽台本集 はじめに』》から
ここには、戦後間もない頃の広島芸北の農村地帯の社会と神楽のあり様が語られています。高田郡美土里町(現 安芸高田市美土里町)の故・佐々木順三さんは、この時代を背景に芸北神楽の再出発を考えられました。そして、アメリカを中心とした占領軍による神楽禁止令のもとで新しい時代に適応した神楽の演目を創作されたのです。
それにしても、秋祭りと聴くだけで、頭の中に閃ひらめく物は神楽である。私達芸北人は神楽囃子の里に生まれ、神楽歌を子守歌として聞かされ、母の背に負われて神楽見物に行き、幼少の頃は軒下や田圃の片隅で、友達と終日神楽の真似ごとで暮らし・・・ 《新藤久人 著『広島の神楽 まえがき』》から
これは、明治四十四(一九一一)年に八重村(現 北広島町)に生まれた民俗学者故・新藤久人さんが書かれたものです。
はじめに
私は、団塊の世代と言われる昭和二十四(一九四九)年生まれですが、明治生まれの人と同じ秋を過ごしてきました。広島県の県北の山県郡・高田郡(現 安芸太田町・北広島町・安芸高田市)の米どころに育つ男子のほとんどが、神楽ごっこの想い出を持って、現代に続いています。
新藤久人さんは、戦後神楽を広島県の無形民俗文化財になるよう尽力される一方で、昭和二十三(一九四八)年から始まった芸げいせき石神楽競演大会の審査員として、芸北神楽発展のために活躍されていました。
生前の新藤さんから直接聞いた話によると、「戦後高田郡から始まった佐々木順三さんの創作された神楽の新演目は、能や歌舞伎を神楽化したわかりやすい物語で、軽快で面白いことから高田舞いといって観客に人気がある。このままでは戦前からある伝統の石見神楽が消えてしまう。それで芸石神楽競演大会は、戦前からあるものを『旧舞』、戦後に舞い始めたものを『新舞』と区分して、それぞれ優勝・準優勝を決めることにした」と言われました。
その後、日本は戦後の回復期に入ります。高度経済成長という日本の産業の成長は、農村社会から若者をはじめ、働き手を都市が吸収し、農村は過疎地域と言われるようになり、人口の激減、高齢化、そして農業は斜陽産業となっていきました。
千代田町(現 北広島町)では、昭和三十五(一九六〇)年の人口一三、五〇〇人が約五年後にはちょうど一〇、〇〇〇人にまで減ったのです。(その後、千代田地域は現在まで一〇、〇〇〇人の人口で推移しています)
こうして、広島県の県北は、人口的には戦後間もない頃と同じ地域社会となっていましたが、氏神さまの秋祭りの神楽だけは何とか受け継がれていました。神楽だけは、この地域に生まれた者に共通する郷土の宝ものだったのです。
時代は流れ、昭和五十四(一九七九)年に中国自動車道、千代田インターチェンジが開通し、情報化社会の到来とともに、中国山地の町や村は、一気に都市化されていきました。若者は都会文化に憧れ、伝統の神楽は古臭いものと思われるようになったのです。
この著作のタイトルとしました神楽旅は、私の神楽旅でありこの時が出発です。
第一部は、広島神楽の戦後を振り返り、その流れの中の著者自身の神楽旅です。
はじめに
序文にかえて 寺本 泰輔
石井誠治氏と広島神楽 ―伝承と創造と― 新谷 尚紀
第一部 私の神楽旅
神楽との出会い ………………………………………………………………… 2
神楽面づくり …………………………………………………………………… 5
神楽面師との出会い …………………………………………………………… 8
スーパー神楽誕生 ……………………………………………………………… 12
ホール神楽への道 ……………………………………………………………… 15
第一弾スーパー神楽・中川戸『神々の詩』 ………………………………… 19
ホール神楽・総合芸術としての神楽 ………………………………………… 20
スーパー神楽公演 その後……………………………………………………… 22
*こぼれ話1 スーパー神楽公演への願い ……………………………… 24
*こぼれ話2 海と島の博覧会 『ザ・神楽フェスタ』………………… 25
*こぼれ話3 『打倒! 中川戸』………………………………………… 27
写真集『炎の舞』―中国山地・広島の神楽― ……………………………… 29
林さんとの出会い ……………………………………………………………… 34
ロシア公演 ……………………………………………………………………… 36
ひろしま夏の芸術祭 神楽とオーケストラのコラボレーション『オロチ』 40
ひろしま夏の芸術祭 創作神楽『厳島』 ……………………………………… 46
月一の舞い ……………………………………………………………………… 52
第二部 広島神楽の成り立ち
稲作から生まれた神楽 ………………………………………………………… 58
日本の神楽 ……………………………………………………………………… 59
広島の神楽 ……………………………………………………………………… 60
神楽の舞台と儀式舞 …………………………………………………………… 62
能舞 ……………………………………………………………………………… 62
採物 ……………………………………………………………………………… 64
第三部 広島神楽の舞台を旅する
日本誕生の物語 ………………………………………………………………… 68
国生み・神生み …………………………………………………… 68
米づくり・芸能のはじまりの物語 …………………………………………… 70
天の岩戸 あまのいわと……………………………………………… 70
八岐大蛇 やまたのおろち …………………………………………… 73
天孫降臨 てんそんこうりん…………………………………………… 77
神武 じんむ…………………………………………………………… 80
古代国家統一の物語〈日本武尊〉 ………………………………………………85
熊襲 くまそ…………………………………………………………… 85
草薙の剣 くさなぎのつるぎ …………………………………………… 87
走り水 はしりみず …………………………………………………… 89
伊吹山 いぶきやま …………………………………………………… 92
*こぼれ話4 米づくりと国づくり …………………………………… 96
無病息災を願う物語 ………………………………………………………… 98
鍾馗 しょうき………………………………………………………… 98
国家安泰を願う物語 ………………………………………………………… 101
塵輪 じんりん………………………………………………………… 101
鈴鹿山 すずかやま…………………………………………………… 104
板蓋宮 いたぶきのみや ……………………………………………… 106
天神(天神記) てんじん(てんじんき) …………………………… 109
鵺(頼政) ぬえ(よりまさ) ………………………………………… 112
鬼の物語 ………………………………………………………………………… 115
戻り橋 もどりばし…………………………………………………… 115
羅生門 らしょうもん………………………………………………… 118
大江山 おおえやま…………………………………………………… 120
青葉の笛 あおばのふえ……………………………………………… 124
*こぼれ話5 鬼の正体とは ……………………………………………… 127
鬼女の物語 …………………………………………………………………… 130
土蜘蛛 つちぐも……………………………………………………… 130
紅葉狩 もみじがり…………………………………………………… 133
滝夜叉姫 たきやしゃひめ……………………………………………… 136
道成寺 どうじょうじ………………………………………………… 139
黒塚 (安達ヶ原)くろづか(あだちがはら)…………………………… 142
悪狐伝 あっこでん…………………………………………………… 145
殺生石 せっしょうせき ……………………………………………… 148
平安時代の終わりの物語 …………………………………………………… 150
橋弁慶 はしべんけい………………………………………………… 150
壇ノ浦 だんのうら…………………………………………………… 152
奥州平泉 おうしゅうひらいずみ……………………………………… 155
*こぼれ話6 現地取材から ……………………………………………… 158
*こぼれ話7 板蓋宮編 …………………………………………………… 159
*こぼれ話8 滝夜叉姫編 ………………………………………………… 163
*こぼれ話9 道成寺編 …………………………………………………… 169
広島神楽演目とゆかりの地
おわりに
参考文献
著者プロフィール
広島神楽 日本を舞う 神楽旅2018年7月1日 初版第1刷発行
著者 石井 誠治 監修 寺本 泰輔・新谷 尚紀
発行 NPO法人広島神楽芸術研究所
〒731-1521 広島県山県郡北広島町有田1234-1
千代田開発センター内TEL・FAX: 0826-72-5307
印刷 有限会社山口印刷所
〒731-1534 広島県山県郡北広島町後有田1332
TEL:0826-72-2071 FAX: 0826-72-6888
寺 本 泰 輔
(元中国新聞論説委員・比治山大学名誉教授・NPO法人広島神楽芸術研究所副理事長)
「神楽旅」は、広島神楽の牽引者である石井誠治氏が、広島神楽を改めて多様に捉え、現代の神楽の在り様を考え、明日の神楽を模索しようとする著作である。
石井氏は、広島神楽の中心地に生まれ育ったが、自分では舞いも、囃子にも直接的には携わらない、いわば多彩なプランナーであり、優れたプロデューサーである。さらには研究・解説者でもある。そうした石井氏の多様な活動を支えているのは「神楽は創造的伝承である」という信念であろう。神楽もそうだが、いわゆる、民間伝承が陥りやすい「古き」をそのまま受け継ぐ「伝承的伝承」とは違った地平を歩み、時代の要請に応えようとする「信念」であろう。
そうした方針が、衝撃的ともいえる「スーパー神楽」を誕生させ、「ホール神楽」を定着させたのである。それらによってどれほど神楽が一般化したことか。時代に相応した神楽として、大衆に受け入れられたのである。女性を含め若い人たちのファンは、いずれの公演でも数多くみられるようになった。「神楽は農村の祭りの余興」といわれた時代からみれば、まさに隔世の感がある。新しい神楽を展開させ、「農村の余興」という軽い評価を乗り越えることが、石井氏の強い願いでもある。今では国内各地からの公演要請のほか、海外での舞台も珍しいことではなくなってきたほどである。
石井氏は本書のなかで、そのことを熱く語っている。神楽は連綿として、食の本源である「米作り」と同様に、農村で受け継がれてきた貴重な「文化財」であり、「古い」の一言で、片づけられては堪らない、との思いが切々と伝わってくるのである。
本書は三部に分けられていて、第一部では、石井氏の神楽との、個人的なかかわりを率直に述べて興味深く、
第二部では神楽論の基本として「日本の神楽」と「広島神楽」の関わりを語っている。それにも増して私は、石井氏が神楽のゆかりの地を探訪した次の第三部に最も強い関心を持った。そこには、広島神楽の主な演目ゆかりの舞台となった土地を実際に訪れて、カメラに収め、レポートしているからである。神楽のストーリーは伝説であったり、作者がいて作られたものであっても、そこに登場する山や川、地名は実在のケースが少なくない。石井氏は時間をかけて、そこを探し出して、自分の足で丁寧に確認しているのである。そのことが神楽と大衆との間を、「今日の視点」でより近づけているのである。
例えば「大江山」では、本書に掲載する一枚の写真のために、京都の北端の大江山まで、マイカーを夜通し走らせて尋ね、地元の人が「広島の農村で、そんなに大江山が大切な演目に取り上げられているのか」と、驚いていたという会話を重ねている。「滝夜叉姫」も「羅生門」「オロチ」など、実に丹念に踏査している。 そうした石井氏の努力が、この「神楽旅」を重要な一書にしている。資・史料を集めて、書き上げたものとは基本的な違いがある。
「神楽旅」は神楽を訪ねる「旅」であると同時に、神楽と共に歩む石井氏自身の生きる「旅」でもあろう。
―伝承と創造と―
新谷 尚紀
(國學院大学教授・国立歴史民俗博物館名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)
二十年以上も前から待ちこがれていた本がいまやっと出ました。石井誠治さんのこの本です。私がうれしいというだけでなく、神楽の歴史の上で実はたいへん意味のある本なのです。
あれは、たしか平成五(一九九三)年のことだったと記憶しています。東京在住の私は、久しぶりになつかしい故郷の芸北神楽のテレビ番組のビデオを見ました。そして、いてもたってもいられないような興奮を覚えたのです。中川戸神楽団が、秋の芸石神楽競演大会に出演して、新作「板蓋宮」を舞ったとき、審査員から無視されまったく評価されなかった、そのときのRCCテレビ追跡取材の番組のビデオでした。
私が子どものころのあこがれの神楽といえば、有田神楽団の八岐大蛇でした。それはそれはすばらしいものでした。それに対して、新しい中川戸の神楽は突拍子もないものでした。「ありえない! いま神楽の歴史に大きな地殻変動が起きている! 」と、直感しました。そこで、自分が専門としている民俗学の立場から、芸北神楽のその一大地殻変動の動態について記録し分析する必要がある、と考えて、現地での調査と研究映像制作というプロジェクトを立ち上げました。そして、RCCフロンティアの筒井俊行さんを中心とするスタッフの皆さんとともに制作したのが『芸北神楽民俗誌』(「伝承」・「創造」・「花」の三部構成、一九九七・三)という記録映画でした。
石井誠治さんに出会ったのはそのときです。平成八(一九九六)年から始めた撮影やインタビューのとき、石井さんという存在にたいへんな衝撃を受けました。芸石神楽競演大会での失望と絶望の淵に沈んでいた中川戸神楽団に対して、突拍子もない提案をした人でした。突拍子もない内容の神楽を創った中川戸神楽団の羽原博明さんや神楽面師の管沢良典さんたちに対して、広島市中区の一流文化施設アステールプ
ラザでの神楽の有料舞台公演という突拍子もない企画を提案する石井さんがそこにいたのです。歴史を変えるのはこういう人なんだ、と思いました。
中国地方のこの地域の神楽の歴史としては、これまで三つの画期がありました。第一期は、近世以来の出雲の佐陀神能からの流れをくむ出雲神楽や石見神楽の誕生です。その石見から学んで幕末期以降にさかんになったのが芸北神楽です。神話に題材をとった「天の岩戸」や「八岐大蛇」などが村々の氏神さまの秋祭りで舞われて人気を呼んでいました。第二期は、昭和戦後の神楽混迷という危機の中で、旧美土里町の佐々木順三先生が中心となって推進された神楽の復興です。能や歌舞伎の演目を題材にした「紅葉狩」など、美女から鬼面への変化や、ジヤコ舞いと呼ばれるテンポの速い舞い込みを取り入れた新作神楽として、それは大流行しました。戦前からのゆったりとした優麗な舞いが「旧舞」、戦後のテンポの速い舞いが「新舞」と呼ばれて、各地の競演大会でその新旧の二つの分野で各神楽団の技が競われるようになりました。
そして第三期が、平成初期から起こった中川戸神楽団を先駆けとする「スーパー神楽」の誕生です。その新たな神楽が、今日まで約三十年間、さらなる成長と変動を経てきているのです。それを牽引してきているのが石井誠治さんなのです。「厳島」など新たな「創作神楽」への挑戦、そして広島市内での「ホール神楽」の普及へ、という動きを生み出しているその牽引者でもあります。広島市域をも巻き込む一つの神楽文化運動ともいえるような展開をみせており、もう「芸北神楽」という名前を超えて、「広島神楽」へと生まれ変わってきているのです。いや、二〇〇三年のロシアのサンクトペテルブルグでの公演にみるように、この広島県北の芸北地方の農村部はもちろん、広島市域という都市部や、ひいては日本国内をも超えて、世界へと羽ばたく「広島神楽」へとなってきているのです。
石井誠治さんの「神楽旅」というのは、このような第三期の神楽の、その変動を牽引しながら、同じ時
代に一緒に神楽を創り続けている人たちと歩んでいる、自信に満ちたいわば道連れの旅日記といってよいでしょう。新しい神楽が次々と生まれ、またそれが伝えられていく歴史、それとともに歩む、その歴史の証人としての旅でもあります。石井さんの卓見は、「総合芸術としての神楽」、「伝承の中の創造・創造の中の伝承」という言葉に凝縮されています。約三十年間の神楽の歴史とともに歩んだ石井さんに、当事者としてどうしても書き残しておいてもらわなければいけなかった本なのです。
本書の、第一部は、その「芸北神楽」から「広島神楽」へという第三期の、同時代進行の足跡をたどるもので、貴重な歴史記録であり歴史証言でもあります。第二部は、そもそもの日本の神楽や広島の神楽とは何かなど、その由来を解説してあるものです。とくに、神楽の舞台や採物についての解説は神楽を見る上で参考になります。
第三部は、石井さんのまさに石井さんらしい構成となっています。「広島神楽」の演目の舞台となっているそれぞれの土地へ実際に行ってみて、取材しようというのです。石井さんの神楽舞台での演出の特徴の一つが、上演の前に独自の解説ナレーションを入れるという点ですが、そこには研究と勉強を絶やさずに神楽の伝承世界を究めようという姿勢があります。そのためにも、たとえば、「滝夜叉姫」という人気演目のその伝説の現地、福島県いわき市の恵日寺を訪れています。そして、恵日寺の高木利弘さんの案内やその話から大きな刺激を受けたといいます。そうして、いったん火がついた現地への取材の旅への熱意はますます燃えさかります。「八岐大蛇」にちなむ出雲の斐伊川や須我神社へ、「酒呑童子」の京都府の大江山へ、「戻り橋」や「羅生門」の京都市内の該当地へ、「日本武尊」の近江の伊吹山へ、「板蓋宮」の奈良県の明日香村へ、「紅葉狩」の信州戸隠山へ、「黒塚」の奥州安達ケ原へ、「悪狐伝」の下野国那須の大田原市へ、などその他それぞれの神楽の演目にゆかりの深い伝説の現地を、東北から九州まで次々と訪れ
ています。
そして、現在さかんに「広島神楽」の中で舞われて、その神話や伝説がこの広島では神楽団員も観客もよく知り慣れ親しんでいるものであるということを、日本各地の当の現地の人たちがまったく知らない、ということに驚いています。神楽の演目の多くが、そのゆかりの地、遠いむかしの遠い土地での歴史や伝説をもとにしながら、いまではそこからはるか時空を超えて、演劇性豊かな「広島神楽」へとなっていることをあらためて誇りに思い、芸能の伝承と創造の世界への夢を広げています。
最後にもう一度、ここに書かせていただきます。この本は「芸北神楽」から「広島神楽」が生まれた、その約三十年の歴史を臨場感豊かに書き記した貴重な歴史書でもあり、伝承から創造へというこれからの神楽の未来へ向けてのさらなる出発の書でもあります。ゲラの段階で読ませてもらい、あまりにおもしろいので一気に読んでしまいました。そして、爽快な読後感が残っています。